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「若さま侍捕物帖」(その8) [映画(邦画)]

今回は、1958年12月に公開されたシリーズ第7作(カラー化されてからは第2作)についてです。尚、カラー化されてからは製作ペースが鈍くなり、前作から15ヶ月ぶりの新作となった作品である。

東映・大川橋蔵主演シリーズ第7作若さま侍捕物帖 紅鶴屋敷
作品データを記しておくと、1957年の東映京都の作品であって、時間は82分、原作は城昌幸、監督は沢島忠、脚本は比佐芳武と鷹沢和善の2人、撮影は山岸長樹、美術は川島泰三、音楽は鈴木静一である。そして出演は、大川橋蔵、沢村宗之助、桜町弘子、花園ひろみ、東龍子、金剛麗子、尾上鯉之助、堺駿二、杉狂児、片岡栄二郎、原健策、進藤英太郎、月形龍之介、河野秋武、水野浩、東日出雄、富田仲次郎、中野文男、たちである。

若さまが居候している舟宿・喜仙の近くの紅鶴屋敷に、夜な夜な無気味に廊下をきしらせては消える人影がある、という噂が立った。紅鶴屋敷は、その昔、美しい姫が三国一の婿を得たいと祈りをこめて折った鶴が千羽になったとき、帆に紅鶴を染め抜いた舟で立派な若殿が現れたという伝説があり、現在では舟祭りが行われるようになっていた。今年もその舟祭りが近づいてきた。そして、その紅鶴屋敷は最近、江戸の豪商・越後屋の勘当息子・清吉が買い取り、その仲間のヤクザ者の勘八、猪之助、梅吉と共に移り住んでいた。が、まもなく、清吉の伯父・越後屋清左衛門と、清吉の仲間3人とが町外れで死体となって発見された。で、若さまがその事件に乗り出した。そして、紅鶴屋敷の秘密に迫っていくと、悪徳商人が抜け荷を行っていることを突き止めることになる。事件は、抜け荷に関わっていた連中が仲間割れして、口封じと身の安全のために消したということだった。若さまはその一味を始末して、紅鶴屋敷をめぐる因縁も解消したのだった。

物語としては悪くないのだが、今一つテンポが良くないところがあって、今一つに感じられてしまう。設定が上手く活かせていないところが残念であるが、娯楽作品と言うことを考えたら、これはこれでと言ったところですね。そういう1本でした。

 

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若さま侍捕物帖~紅鶴屋敷~ [VHS]

  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
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「若さま侍捕物帖」(その7) [映画(邦画)]

今回は、東映の大川橋蔵主演シリーズで、ここからカラー作品となった1957年9月に劇場公開されたシリーズ第6作についてです。尚、この作品はシリーズ中の中でも傑作として知られている作品でもある。

東映・大川橋蔵主演シリーズ第6作若さま侍捕物帖 鮮血の人魚
作品データを記しておくと、1957年の東映京都の作品であって、時間は83分、原作は城昌幸、監督は深田金之助、脚本し村松道平、撮影は三木滋人、美術は鈴木孝俊、音楽は小沢秀夫である。そして出演は、大川橋蔵、千原しのぶ、大川恵子、星美智子、伏見扇太郎、坂東簑助、進藤英太郎、岡譲司、岸井明、渡辺篤、星十郎、東龍子、上代悠司、月形哲之介、立松晃、高堂国典、山手弘、松本克平、仁礼功太郎、木南兵介、吉川太三、大文字秀介、中野雅晴、中村時之介、若井緑郎、宮嶋智恵子、品治京子、北村曙美、藤木錦之助、霧島八千代、若水美子、東日出雄、五条恵子、近江雄二郎、富久井一朗、間辰太郎、佐々木松之丞、島田秀雄、熊谷武、美山れい子、竹原秀子、たちである。

両国の川開きの夜、花火師の六兵衛が殺害されるという事件が起こる。その死骸のまわりでは無気味な人魚が踊っていたという。若さまが捜査に乗り出し、廻船問屋の利倉屋が、六兵衛の使う強力な新火薬に目をつけたことからこの事件が起こっていたことが分かり、寄宿人・舞岳庵は蘭学者の了巴がその火薬の発明者だと察知して調べることにした。が、若さまには女スリ・おさいが利倉屋の命令でつきまとうようになる。そんな中、尾張屋敷から重臣の青山玄蕃、了巴、うつぼ姫の一行が旅姿で現れ、若さまたちはそれの後をつける。これにおさいが追い、利倉屋一味も追った。一行は、謎の人魚島へ行き、そこには秘密の火薬庫があった。途中で船は沈められ、流れ付いた先でそれを発見し、若さまは尾張家興亡の大事件ということに気がついた。うつぼ姫は大名になりたくないと言って去ったが、玄蕃、了巴や九鬼家の遺臣たちは、新しい火薬を使って名古屋城を攻撃することを決断した。そして、尾張に向かって出発しようとした所に若さまが飛び込んできた。火縄銃に取り囲まれる若さまだったが、若さまの仲間の小吉たちが火薬庫に火を付け、大爆音と共に吹っ飛んだ瞬間、若さまは敵に隙が出来たその時、玄蕃を斬り、うつぼ姫を庇った。更におさいが、若さまの盾となって了巴に撃たれた。若さまは了巴を倒し、一味の陰謀は防がれたのだった。

前作までの白黒でも、娯楽作品としては一定の水準をクリアしているため、十分楽しめる作品であったが、カラーになった本作は意気込みが違っているのが良く分かる作品で、娯楽作品としてたっぷりと楽しめる作品に仕上がっている。こういう場合、力が入りすぎてから廻りすることもあるのだが、本作ではそういうことは無い。

ということで、本シリーズ全ては見ていられないという方は、とりあえず本作だけでも見ることにしましょう!(が、シリーズで一番の本作を最初に見たら、残りの作品がつまらなく感じてしまうこともありそう...)

 

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若さま侍捕物帖~鮮血の人魚~ [VHS]

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「若さま侍捕物帖」(その6) [映画(邦画)]

今回は、全部で3作製作された1957年の作品の中から、1957年3月劇場公開となったシリーズ第4作と、同年4月に劇場公開されたシリーズ第5作についてです。(尚、第6作からはカラー化されるため、白黒作品としては最後ということになる。)いずれもが1時間程度の中編という作品にまとめられている。

東映・大川橋蔵主演シリーズ第4作若さま侍捕物手帖 鮮血の晴着
作品データを記しておくと、1957年の東映京都の作品であって、時間は60分、白黒作品である。原作は城昌幸、監督は小沢茂弘、脚本は松本憲昌、撮影は藤井春美、美術は川村鬼世志、音楽は小沢秀夫である。そして出演は、大川橋蔵、星美智子、星十郎、岸田一夫、国一太郎、伊東亮英、阿部九州男、徳大寺伸、富田仲次郎、水野浩、立花伸介、浦里はるみ、富久井一朗、金剛麗子、加藤嘉、薄田研二、三笠博子、有馬宏治、藤木錦之助、山口勇、津村礼司、浅野光男、加藤浩、遠山恭二、片岡栄二郎、宮島智恵子、山田光子、石丸勝也、矢奈木邦二郎、東日出雄、中野久男、島田秀雄、佐々木松之丞、美鈴れい子、たちである。

夜ごとに暴力強盗がはびこり、与力・佐々島らの探索も空しく、札差の越後屋主人夫婦が殺されて、大金と共に下手人は消えた。佐々島は若さまに相談し、若さまは捜査に乗り出した。そして、越後屋が殺された夜、浅草の質商阿波屋の六左衛門が鮮血に染った花嫁衣裳を手にして、古寺の境内で殺されていたことが分かり、若さまは阿波屋を調べた。そして、その背後に、旗本・白坂の次男・源二郎、御家人・愛甲新七がいることを知る。更に調べていくと、無役の旗本・八代将監に繋がり、将監が糸を引いていたことが分かる。事件の全貌を掴んだ若さまは八代将監の屋敷に乗り込み、将監を取押えた。将監は悪事が明るみになったことで、切腹するしかなく、事件は解決した。

時間的な制約が前作までと比べて大きくなったこともあって、テンポ良く物語が進んで行くのだか、1時間枠のTVドラマを見ているような感じがする。が、主役の若さまの活躍する見せ場などはしっかりと用意されているので、娯楽作品と言うことでは十分な水準に達している作品である。

東映・大川橋蔵主演シリーズ第5作若さま侍捕物帖 深夜の死美人
作品データを記しておくと、1957年の東映京都の作品であって、時間は58分、白黒作品である。原作は城昌幸、監督は深田金之助、脚本は村松道平、撮影は藤井春美、美術は川村鬼世志、音楽は小沢秀夫である。そして出演は、大川橋蔵、星美智子、浦里はるみ、三笠博子、片岡栄二郎、徳大寺伸、阿部九州男、薄田研二、星十郎、岸田一夫、国一太郎、伊東亮英、加藤嘉、若水美子、常盤光世、山口勇、立花伸介、徳大寺伸、美鈴れい子、富田仲次郎、中野文男、加藤浩、津村礼司、有馬宏治、水野浩、浅野光男、山田光子、金剛麗子、東日出雄、石丸勝也、藤木錦之助、富久井一朗、たちである。

春の江戸。大工の棟梁の政五郎が何者かに殺され、続いて政五郎の娘・おあいが殺された。小吉はおあいと恋中の旗本の息子・真之助が犯人と睨んだが、それは全く的外れだった。で、小吉は若さまに相談し、若さまが捜査に乗り出した。が、第三の被害者として骨董屋・金政重右衛門の娘・おさとが殺された。捜査を続ける若さまは、やがて政五郎の祖先が、かつて東照宮の御宝蔵を造っていたということを知る。そして、御宝蔵に隠された宝物の在処を記した地図が金政重右衛門の所にあった古い衝立であることを知る。事件は御宝蔵の隠された宝物を狙っていた森田兄弟と金政親子によるものだった。若さまは御宝蔵に向かい、そこで一味を斬り捨てて事件を解決したのだった。

物語がテンポ良く進むということもあって、娯楽作品として十分楽しめる。ただ、時間的に短いこともあって、TVドラマのように波乱がなくうまく話が進んでいくようにも感じられる所もありますが...

今回の2本は、時間的にも約1時間ということで、中編に分類されることになる。それぞれの作品のスケールはダウンしているが、主役の活躍する見せ場はしっかりと用意されているので、ある意味ではとても見やすい作品と言うことが出来る。現在では1時間枠のTVドラマを見るような感覚といったらよく、それなりに楽しめる作品であるので、ちょっとした時に見るのも宜しいかと...

 

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若さま侍捕物帖「鮮血の晴着」 [VHS]

  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
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若さま侍捕物帖「深夜の死美人」 [VHS]

  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
  • メディア: VHS

エド山口&東京ベンチャーズ『激突!エレキ天国』 [映画(邦画)]

表題のアルバムは2000年7月にリリースされた彼らの1st.アルバムである。現在、番外編と「7(アルバム・タイトルでは「777」となっている)」のでが発表されているシリーズの第一弾であり、かつ、ベンチャーズを彷彿させるテケテケ・サウンド(エレキ・インスト・サウンド)をたっぷりと聴かせてくれるアルバムである。

収録曲は以下の全13曲である。『ラブパニック』『涙のギター』『SABWAY』『パイプライン2000ミレニアム』『夕凪(ゆうな)ぎ』『フルスロットル』『涙の太陽』『MAGIC』『東京ジプシー』『湘南・和賀江の島』『非情のライセンス~キーハンターのテーマ』『アクアライン』『六本木ララバイ』。

ベンチャーズのエレキ・サウンドは'60'sを象徴するサウンドであり、かつ、夏をイメージするサウンドとして定着している。また、何処かで懐かしさを感じることもあり、比較的シンプルなサウンドということもあって、それが逆に新鮮さを感じさせてくれるところもある。

お馴染みの曲をはじめ、あんな曲もという楽曲がまた面白みを与えてくれるところでもあるだけに、夏の暑い時期に聴いておいても宜しいかと...(特に季節に限定されるということはないのだが、やはりこういうサウンドは、夏ならではという所もありますからね...)

また、2001年発表の「2」では、『007~サンダーボール作戦』『007~ゴールドフィンガー』『西湘バイパス・夏』『夢見る頃』『ポイントパニック』『黒い瞳(ダークアイズ)』『郷愁』『天国と地獄』『ウナセラディ東京』『ディックトレイシー』『ペネトゥレイション』『湘南逗子「渚橋」』『ドナウ川のさざ波(ダニューブ・ウェーブ)』『ミザルー』『SACHIの面影』、と言う15曲が収録されている。

そして2002年発表の「3」では『筑波サーキット』『稲村ヶ崎』『女王蜂のテーマ』『太陽はひとりぼっち』『少女のソネット』『不安な夢』『ロストラブ・湘南』『湾岸エキスプレス』『スパイラル』『KAMAKURA DOLL~静御前(しずかごぜん)』『アイ・スパイ』『スラッシュの男』『心のときめき』、という13曲が収録されている。

これらも一緒に聴いておくというのも良いですね。

 

激突!エレキ天国

  • アーティスト: エド山口&東京ベンチャーズ,エド山口
  • 出版社/メーカー: ガウスエンタテインメント
  • 発売日: 2000/07/26
  • メディア: CD

激突!エレキ天国(2)

激突!エレキ天国(2)

  • アーティスト: エド山口&東京ベンチャーズ
  • 出版社/メーカー: ガウスエンタテインメント
  • 発売日: 2001/07/25
  • メディア: CD
激突!エレキ天国(3)

激突!エレキ天国(3)

  • アーティスト: エド山口&東京ベンチャーズ
  • 出版社/メーカー: ガウスエンタテインメント
  • 発売日: 2002/06/21
  • メディア: CD
激突!エレキ天国(4)

激突!エレキ天国(4)

  • アーティスト: エド山口&東京ベンチャーズ
  • 出版社/メーカー: ガウスエンタテインメント
  • 発売日: 2003/07/24
  • メディア: CD
激突!エレキ天国(5)

激突!エレキ天国(5)

  • アーティスト: エド山口&東京ベンチャーズ
  • 出版社/メーカー: ガウスエンタテインメント
  • 発売日: 2004/07/22
  • メディア: CD
激突!エレキ天国6

激突!エレキ天国6

  • アーティスト: エド山口&東京ベンチャーズ
  • 出版社/メーカー: ガウスエンタテインメント
  • 発売日: 2005/07/21
  • メディア: CD
激突!エレキ天国 番外編~Oh!エド冬の陣~

激突!エレキ天国 番外編~Oh!エド冬の陣~

  • アーティスト: エド山口&東京ベンチャーズ
  • 出版社/メーカー: ガウスエンタテインメント
  • 発売日: 2002/11/21
  • メディア: CD

「若さま侍捕物帖」(その5) [映画(邦画)]

今回は、全部で3作製作された1956年の作品の中から、残っているシリーズ第3作についてです。劇場公開は1956年6月であった。

東映・大川橋蔵主演シリーズ第3作若さま侍捕物帖 魔の死美人屋敷
作品データを記しておくと、1956年の東映京都の作品であって、時間は90分、白黒作品である。原作は城昌幸、監督は深田金之助、脚本は村松道平、撮影は坪井誠、美術は吉村晟、音楽は小沢秀夫である。そして出演は、大川橋蔵、千原しのぶ、丘さとみ、星美智子、岡譲司、江原真二郎、山茶花究、竜崎一郎、小畑実、星十郎、沢田清、花澤徳衛、立松晃、鳳衣子、清川荘司、仁礼功太郎、小金井修、若井緑郎、美山れい子、明石潮、中野市女蔵、時田一男、堀正夫、月村圭子、近江雄二郎、吉川太三、熊谷武、藤清江、河村満和、国一太郎、神戸洋子、山本鳥古、たちである。

大奥の奥女中であるおいくが、宿下がりで実家に帰っている時に殺されて、実家である絹物問屋山城屋の土蔵の中で、婚約者の文次郎によって発見された。父親である山城屋宗兵衛によると、おいくは身重な体で夜中に突然帰って来て、「殺される」と脅えていたので土蔵に匿ったと言う。が、大奥の古参奥女中の増山は、宗兵衛に「自殺」ということを強調させていた。で、若さまは事件の調査を開始し、文次郎が犯人を知っていると睨んだ。が、その文次郎も殺されてしまう。その頃、おいくが仕えていた将軍の妾・おえんの方の秘密を知っている女中・おみよは、使いに出ている所を誘惑されるが、間一髪の所を救われる。おみよが連れ込まれた屋敷はおえんの方の父・阿部伊予之助の屋敷であって、まもなく阿部伊予之助は若年寄を通し捜索打切りを命じた。しかし、若さまは独断で捜査を続行した。そして、若さまは阿部一味がお附女中の子を身替りに仕立て上げ、将軍を毒殺して天下を奪うという陰謀を企んでいたことを突き止めた。阿部一味は安産祈願の籠を襲ったが、若さまはそのことを掴んでいて、籠から現れると、阿部一味を倒したのだった。

前作は前後編となっていたが、本作からは1作で1つの物語となっている。とは言っても、結構冗長な部分もあって、今一つテンポが悪いところが気になる。まあ、娯楽時代劇ということでは水準並みという作品であるので、これはこれで宜しいかと...

 

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若さま侍捕物帖「魔の死美人屋敷」 [VHS]

  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
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「若さま侍捕物帖」(その4) [映画(邦画)]

今回から、全10作が製作された東映の大川橋蔵主演について記していきます。今回は、その大川主演シリーズの第一作と第二作についてです。尚、この2本は1956年2月に同日公開となっていて、前後編の物語である。

東映・大川橋蔵主演シリーズ第1作若さま侍捕物手帖 地獄の皿屋敷
作品データを記しておくと、1956年の東映京都の作品であって、時間は52分、白黒作品である。原作は城昌幸、監督は深田金之助、脚本は村松道平と西条照太郎の2人、撮影は坪井誠、美術は吉村晟、音楽は小沢秀夫である。そして出演は、大川橋蔵、星美智子、長谷川裕見子、原健策、東宮秀樹、朝雲照代、横山エンタツ、星十郎、高松錦之助、有馬宏治、時田一男、円山栄子、水野浩、太田優子、加賀邦男、山口勇、清川荘司、東龍子、中村時十郎、山手弘、吉本清子、原京市、国一太郎、中野市女蔵、矢奈木邦二郎、浅野光男、人見寛、品治京子、熊谷武、たちである。

質屋の布袋屋が2日続けて賊に襲われたということで、若さまは袋屋張り込んだ。若さまの目論んだ通り、その晩も宗十郎頭巾の曲者が押し入った。すかさず黒装束の一団が賊を囲みも斬り合いになるが、その隙に宗十郎頭巾の曲者は何処かに姿を消してしまった。若さまは、布袋屋の息子・治助から、これまでの事件のあらましを尋ねると、賊が狙っているのは山岡家に伝わる将軍家から拝領した「呉須の皿」と呼ばれる家宝ということが分かる。山岡家では、当主の帯刀が病に倒れ、金に困ってそれを布袋屋へ質入れしたという。が、高家横川出羽守を通して、時の将軍家から「呉須の皿を見たい」と所望があったため、山岡家は布袋屋に掛け合っていたが、その時に主人・彦兵衛が急死してしまったという。これで若さまは、山岡の息子が怪しいと睨んだが、山岡の息子・隆之助は柔弱者で、とてもそのようなことが出来るような男ではないという。で、若さまは独自に調査を開始した。彦兵衛の墓を掘り返してみると、そこに死体は無かったということで、彦兵衛は生きていると睨んだ。そして、彦兵衛の隠れ家が森の中にあるのを突き止めた。しかし、そこに辿り着いた時、彦兵衛は殺されていた。そして若さまの周囲には黒装束の一団が迫っていて、遠くには若さまを狙って下短銃があった...(以下は次作へ)

東映・大川橋蔵主演シリーズ第2作若さま侍捕物手帖 べらんめえ活人剣
作品データを記しておくと、1956年の東映京都の作品であって、時間は56分、白黒作品である。尚、スタッフ・キャストは前作と同一であるため、上記参照というで、ここでは省略します。

タイトルこそ、前作と異なるものが付けられているが、物語は前作の続きであって、「前後編」の「後編」と言うことの出来るものである。

絶体絶命の若さまは宗十郎頭巾に救われた。が、直ぐに姿が消えてしまう。そして、呉須の皿の上覧の日が2日後となった。出羽守は山岡家を訪ね、山岡の娘・小百合との結婚を条件に、助力を申し出た。しかし小百合はこれを拒否した。隆之助はサラを取り戻すために若さまから金を借りて布袋屋へ行ったが、皿は何者かに盗まれていた。翌日、若さまは、出羽守と黒装束の一団との間につながりがあることを発見した。詳しく調べると、皿はどうやら出羽守の邸内にあるということが分かる。が、敵は先手を打ち、若さまの恋人で船宿喜仙の娘・おいとが人質として掠われ、脅迫状にあった通り、若さまは森の一軒家に向かった。一軒家の地下室においとがいることを突き止めた若さまは、おいとを連れて脱出しようとするが、天井が落ちてくる。間一髪のところを宗十郎頭巾に助けられて脱出した。若さまは、出羽守と布袋屋の番頭・豊五郎がぐるになっていると考えて、出羽守の邸に乗り込み、大乱闘の末、出羽守たちの一味は全て倒されたのだった。そして、若さまを何度も助けた宗十郎頭巾の正体は、なんと、山岡の娘の小百合だった。

物語としては、なかなかテンポも良く、派手な所は派手に、抑えるところは抑えてあって、メリハリが付いていて、十分楽しめる。

また、時間的には、それぞれの作品が1時間弱ずつということで、比較的見やすく纏まっている。ただ、現在であれば、2本とする必要はなく、1本の作品(100分程度)とした方が良いですね。(2本をバラバラに見るのではなく、2本続けて1本の作品として見るのが良いですね。)

 

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「若さま侍捕物帖」(その3) [映画(邦画)]

今回は、新東宝の作品で、坂東鶴之助主演の2作品についてです。第1作は1953年9月に、第2作は1953年12月に劇場公開されている。

新東宝・坂東鶴之助主演作第1作若さま侍捕物帖 江戸姿一番手柄
作品データを記しておくと、1953年の新東宝の作品で、時間は90分、原作は城昌幸、監督は青柳信雄、脚本は京中太郎と西尾正紀の2人、撮影は山中晋、美術は川村鬼世志、音楽は服部正である。そして出演は、坂東鶴之助、嵯峨美智子、喜多川千鶴、三浦光子、徳大寺伸、進藤英太郎、柳家金語楼、柳永二郎、清川荘司、坂東慶子、戸上城太郎、若杉須美子、鳥羽陽之助、たちである。

浮世絵師の重次は、貧乏浪人の妻・たかを描きたい気持に駆られたが、それが出来ず、柳橋の芸者・小ひなを描いたが、出来上って評判になった浮世絵は、たかにそっくりだった。そんな重次が何者かに殺され、たかにその嫌疑が掛かった。若さまは、目明し遠州屋小吉からの情報で、たかが前の老中・柳沢の息女であることを知り、柳沢殺害の黒幕・老中秋元が事件の鍵を握っていると睨んだ。また、将軍側室・おゆらの方は、この秘密を知っていたため、秋元は、たかが柳沢の息女であることが知られることを恐れて、おゆらを殺害しようとした。が、間一髪のところで若さまが現れた。が、若さまはおゆらが贔屓にしている歌舞伎役者・水木半太夫と瓜二つだった。実は半太夫はたかの実弟であり、恋人のおゆらを城中に入れ、亡父の仇を狙っていたのだった。が、この事実が秋元の知る所となったことから、秋元は2人を殺そうと企み、半太夫一座を招き、殺害計画を進めようとした。が、半太夫もこれは秋元を討つ絶好の機会と捉えた。半太夫の舞台が進んでいく中、秋元の野望と半太夫の仇討ちとが交錯していく。そんな中、おゆらの前に毒の薬湯が置かれる。その時若さまが現れ、これと同じ手口で柳沢が殺されと言い放ち、半太夫も舞台から下りてきて、仇討ちの場となり、秋元を倒して仇討本懐を遂げ、事件は解決した。

テンポも良く、十分楽しめる作品となっている。まあ、見ておいても損のない作品でした。

新東宝・坂東鶴之助主演作第2作若さま侍捕物帖 恐怖の折り鶴
作品データを記しておくと、1953年の新東宝の作品で、時間は90分、原作は城昌幸、監督は並木鏡太郎、脚本は京中太郎と村山俊郎の2人、撮影は平野好美、美術は川村鬼世志、音楽は高橋半である。そして出演は、坂東鶴之助、嵯峨美智子、南寿美子、江川宇礼雄、清川虹子、柳家金語楼、中村彰、沢田清、冬木京三、荒川さつき、近衛十四郎、鳥羽陽之助、堺駿二、国友和歌子、益田喜頓、清川荘司、藤間紫、沢井三郎、木戸新太郎、川田晴久、若月輝夫、小倉繁、山茶花究、たちである。

但馬屋の息子・平太郎が殺され、首に巻かれていた手拭が伏見屋の若旦那・伊之助の物だったことで、簡単に事件は解決したように見えた。が、伊之助には全く身に覚えのないことだった。事件の夜の伊之助は、折り鶴模様の頭巾姿の女に誘われて、酒を鱈腹飲み、泥酔していて、事件はその間に起こったのだった。頭巾の女の行方は分からず、伊之助の愛人。おみつは、友達であるおいとを挟んで若さまに助けを求めた。若さまは、当日夜の伊之助の行動を知る商人を探し、証言させようとしたが、誰一人として証言を拒んだ。おいとと伏見屋の番頭・新蔵は、何とかして証言させようとするが、それらの人々は全員、何者かに殺されてしまい、おいとも襲われたが、若さまが駆けつけ、助かった。そんな中、折り鶴模様の着物の方から、頭巾の女は、ある旗本の妾ということが分かり、おいとはその旗本屋敷に行った。が、妾は外出していた。新蔵も協力して、妾の女を誘い出すことに成功したが、それは罠で、妾の女とおいとは新蔵に襲われた。というのは、新蔵は伏見屋の乗っ取りを企んでいて、妾の女とおいとを消そうとしたのだった。が、若さまが妾の女と入れ替わっていて、逆に罠を仕掛けていて、若さまの活躍で事件は解決した。

事件の展開は面白いが、ちょっと強引なところが...と思ってしまう。が、今も昔も、(ちょっと無理のある)「女装」というのは娯楽作品の一つの要素になっているということですかね...

まあ、娯楽作品と言うことではそれなりに楽しめるが、ちょっとつっみこたくなる所も目立った作品でした。

新東宝の黒川弥太郎主演作品が2作あるが、黒川主演作よりも砕けた感じになっていて、これはこれで悪くはないが、黒川作品のようにもうすこと締めるところは駐めておいて欲しかったと思う所があった坂東鶴之助による若さま侍でした。

 

本シリーズもソフトが無い原作小説を拾っておきます。

天を行く女―若さま侍捕物帖 (1957年)

  • 作者: 城 昌幸
  • 出版社/メーカー: 桃源社
  • 発売日: 1957
  • メディア: -

だんまり闇―若さま侍捕物帖 (1954年)

  • 作者: 城 昌幸
  • 出版社/メーカー: 東京文芸社
  • 発売日: 1954
  • メディア: -

くれない系図―若さま侍捕物帖 (1951年)

  • 作者: 城 昌幸
  • 出版社/メーカー: 同光社
  • 発売日: 1951
  • メディア: -

「若さま侍捕物帖」(その2) [映画(邦画)]

今回は「若さま侍捕物帖」の最初の映画化シリーズである1950年と1951年に劇場公開された新東宝によるシリーズ(黒川弥太郎主演作)の2作についてです。第1作は1950年12月に、第2作は1951年5月に劇場公開されている。

新東宝・黒川弥太郎主演作第1作若さま侍捕物帖 謎の能面屋敷
作品データを記しておくと、1950年の新東宝の作品で、時間は86分、白黒作品である。原作は城昌幸、監督は中川信夫、脚本は井上梅次、撮影は友成達雄、美術は梶由造、音楽は鈴木静一である。そして出演は、黒川弥太郎、河津清三郎、鳥羽陽之助、大河内傳次郎、清川玉枝、香川京子、江川宇礼雄、杉山昌三九、柳家金語楼、若月輝夫、利根はる恵、榎本美佐江、川田晴久、海江田譲二、たちである。

近頃、江戸の町では能面を付けた強盗殺人犯が横行していた。若さま侍は、つものように柳橋の料亭・喜仙の離れ座敷でのんびりしていた。そんな所に、与力の佐々島と御用聞遠州屋の小吉とが、その事件の報告をする。賊を追っていくと、いつも「能面屋敷」と呼ばれる屋敷の近くで見失うというのである。また、その屋敷の当主は、顔面に醜い火傷の痕があるため、いつも能面をかぶっている能役者の間崎広光という男であること、しかし広光は持病で外出できない体ということだった。また、弟として玄馬がいるものの、彼は殆ど家に寄りつかないということだった。そして出入りしているのは用人の喜左衛門だけであって、疑わしい所はないというのだった。更に、賊の仲間と思われるお高頭巾の女については、料亭・喜仙で見失うということだった。そんな中、またまた能面の賊が現れ、それを追った御用聞の三吉が、能面屋敷の入口で、矢で射殺された。で、若さま侍・堀田左馬介は腰を上げたが、若さま侍はお高組巾の女が矢場のお銀ということを承知していた。また、喜仙の一人娘・おいとが、能面屋敷に奉公することになった。その頃、用人喜左衛門は、広光に「能面強盗は弟・玄馬の仕業だ」と告げた。これに怒った広光は、喜左衛門に玄馬を斬れと命じた。が、調べに動いていた若さま侍に玄馬は助けられた。そして翌日、大川に、顔を滅多切りにされた喜左衛門の死体が浮かび、それ以後、玄馬の姿も見えなくなる。おいとは奉公先の間崎家で、広光から言い寄られるが、能面を取った顔を見てしまったことから、それは広光ではないことが分かり、地下牢に監禁されてしまう。そして、そこに弱り果てた広光がいた。若さま侍は矢場のお銀から手がかりを得ようとするが、お銀も殺されてしまう。が、今際の言葉から謎を解くヒントを得て、間崎家に乗り込んだ。間崎家の御用人・喜左衛門というのは、実は8年前に三宅島を脱走した極悪盗賊・夜叉丸であり、喜左衛門と思われた死体は、実は彼に殺された玄馬だった。ということで、事件を解決した若さま侍は、おいとを助け、元の生活に戻った。

テンポも良く、娯楽作品のツボをしっかりと抑えた作品ということで、分かりやすく見やすい作品でした。

新東宝・黒川弥太郎主演作第2作若さま侍捕物帖 呪いの人形師
作品データを記しておくと、1950年の新東宝の作品で、時間は79分、白黒作品である。原作は城昌幸、監督は中川信夫、脚本は井上梅次、撮影は平野好美、美術は梶由造、音楽は鈴木静一てある。そして出演は、黒川弥太郎、田崎潤、鳥羽陽之助、清川玉枝、香川京子、江川宇礼雄、野上千鶴子、清川荘司、横山運平、山本礼三郎、オリエ津坂、江見渉、川田晴久、たちである。

人形師・長次が「人形の呪いだ」と口走る予言が当たり、その後、目明かしの越後屋弥助、用人・木村甚内、前南町奉行の前田丹波守たちの所に「お命頂戴、まぼろし」という通告が届いた。そして弥助が刺殺それ、狂気ののみが丹波守秘蔵の人形の手に握らされていた事件が起こった。続いて木村甚内が毒殺され、毒薬の包みが丹波守秘蔵の人形の前に落ちていた事件が起こった。で、若さま侍は腰を上げて調査を開始した。次は丹波守が狙われると思われたが、殺されたのは丹波守の身代わりを務めた原勝馬という同心だった。しかし彼の死体が消えた。若さま侍は、丹波守の秘蔵の人形は人形師・長次が彫ったもので、昔、丹波守に処刑された盗賊・新三・お浜夫婦を模ったものであることを突き止めた。また、新三・お浜の娘・お艶は湯女に身を落としたこと、丹波守の養女・楓は新三・お浜の娘であったこと、楓には兄がいて、それは原勝馬だったことを知る。そして、殺されたと思った原勝馬は実は生きていた。両親の仇を取るために丹波守を狙っていて、実は彼こそがまぼろしだった。若さま侍の活躍で、事件は丸く解決したのだった。

本作も、テンポ良く進んでいき、娯楽作品のツボはしっかりと抑えられている。時間的には中編ということになるが、十分楽しめる作品である。

後に、大川橋蔵主演のシリーズが作品数を重ねていくことで、「若さま侍」というと大川橋蔵というイメージの方が強くなるが、黒川弥太郎の若さま侍というのも悪くないですね。彼の主演による作品が2本で終わってしまったのは残念でした。

 

↓映像ソフトがないので、原作小説を拾っておきます。

若さま侍捕物手帖 [新装版] (光文社文庫)

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  • 作者: 城 昌幸
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2003/03/12
  • メディア: 文庫

若さま侍捕物手帖三 (ランダムハウス講談社時代小説文庫)

若さま侍捕物手帖三 (ランダムハウス講談社時代小説文庫)

  • 作者: 城 昌幸
  • 出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン
  • 発売日: 2009/03/10
  • メディア: 文庫
若さま侍捕物手帖一 (ランダムハウス講談社時代小説文庫)

若さま侍捕物手帖一 (ランダムハウス講談社時代小説文庫)

  • 作者: 城 昌幸
  • 出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン
  • 発売日: 2009/01/09
  • メディア: 文庫
若さま侍捕物手帖 (徳間文庫)

若さま侍捕物手帖 (徳間文庫)

  • 作者: 城 昌幸
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2008/08/01
  • メディア: 文庫

「箱根風雲録」 [映画(邦画)]

もう1本、山田五十鈴さんの追悼ということで、彼女の出演作品を取り上げます。今回は、先に取り上げた「現代人」とともに、1952年のブルーリボン賞で主演女優賞を受賞することになった作品であるもう1つの作品である「箱根風雲録」です。


表題の作品は1952年3月に公開された時代劇の「箱根風雲録」である。前年の「どっこい生きている」に続いての、劇団前進座と新星映画が組んだ独立系の作品である。本作は時代劇で、箱根用水にまつわる物語である。(見る前に、箱根用水について、簡単に調べてから見た方がいいでしょう...  1666年着工、1670年完成という歴史的事実とその背景などを。)また、円谷英二が特殊撮影で参加しているということも、現在ではポイントの一つになっている。

作品データを記しておくと、1952年の劇団前進座と新星映画の作品で、時間は136分、白黒作品である。原作はタカクラ・テル、監督は山本薩夫、脚本は楠田清と平田兼三の2人、撮影は前田実と仲沢半次郎の2人、美術は本木勇、特殊撮影は円谷英二、音楽は大木正夫である。そして出演は、河原崎長十郎、中村翫右衛門、河原崎国太郎、轟夕起子、山田五十鈴、瀬川菊之丞、岸旗江、坂東春之助、飯田蝶子、薄田研二、清水将夫、石黒達也、清水元、嵯峨善兵、内田禮子、たちである。

4代将軍・家綱の寛文年間、箱根の西である三島側の一帯は水がなく、稲作が出来ない土地で会った、で、湖尻峠を堀り抜き、芦ノ湖の水を引くという大工事が計画され、江戸浅草の商人・友野与右衛門が、土地の農民たちと力を合わせて、この難工事を行うことになった。が、お上にも出来ない大工事を、一介の町人と農民たちの手で成功してしまえば、幕府の威光は地に堕ちると考えた幕府役人たちは、その工事の妨害作を行った。また、友野与右衛門は何度も幕府に捕らえられる。が、人々はそれを乗り越えて工事を続け、3年目に両側から掘り始めたトンネルが貫通した。こうして三島の土地を芦ノ湖の水が潤すことになり、箱根用水は完成した。が、与右衛門は幕府の維新を守ろうとする一派によって倒れたのだった...

歴史的な史実を描いた作品でありながら、娯楽作的な部分もしっかりと出していることから、固いだけの作品にはなっていない。歴史を学ぶことも出来るため、見ておきたい作品の一つである。

尚、本作での山田五十鈴は、主人公である江戸浅草の商人・友野与右衛門の妻・リツを演じている。

 

 

箱根風雲録 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 新日本映画社
  • メディア: DVD


「現代人」 [映画(邦画)]

日本を代表する大女優・山田五十鈴さんの訃報が届いたということで、追悼ということから彼女の出演作品を取り上げます。出演作品の数も多く、人気シリーズになった作品(「必殺シリーズ」の「からくり人」と「仕事人」はその代表ですね、)も多数あるので、何を取り上げようかとも思ったのだが、女優としての地位を完全に固めると共に、高く評価された作品をということで、まずは1952年のブルーリボン賞で主演女優賞を受賞した作品を取り上げます。(但し、同年のこの賞は、「現代人」と「箱根風雲録」の2作品での主演ということでの受傷である。→「箱根風雲録」は別途取り上げます。)

その山田さん、1917年生まれ(大正6年)ということなので95歳だったということですが、大往生だったと言って良いのでしょうね。ただ、最近でも「必殺シリーズ」の再放送でけっこう目にすることもあったので、病気療養中ということも知りませんでした。ご冥福をお祈り致します。

尚、彼女が亡くなった7/9の1日前の7/8に亡くなったE・ボーグナインも1917年生まれの95歳(彼の方が12日生まれが早い。)であったが、ほぼ同じ時期に生まれ、活躍した日本女優とアメリカ俳優がほぼ同じ時期に亡くなったというのも何かあるのですかね...


表題の作品は、1952年9月に劇場公開された松竹作品の「現代人」である。戦後社会の暗黒面を描いた作品である。作品で描かれている部分は、その後にも何かと汚点として何処かにあるものであって、この点では「現代人」というタイトルも上手いと言えますね。

作品データを記しておくと、1952年の松竹大船作品で、時間は112分、白黒作品である。監督は渋谷実、脚本は猪俣勝人、脚色は斎藤良輔、撮影は長岡博之、音楽は吉沢博と奥村一の2人である。そして出演は、池部良、山田五十鈴、山村聡、小林トシ子、望月優子、高野由美、多々良純、伊達信、山路義人、水上令子、安部徹、芦田伸介、高松栄子、日夏紀子、たちである。

建設局管理課の荻野課長は、主任の三好と共に、岩光土木工業と結託して汚職を重ねていた。というのは、荻野の妻は胸の病気の療養のために金が入用であったためでもあった。そんな中、三好が地方へ左遷されることになり、それを契機に彼は足を洗おうと決心した。また、三好の後任として主任になった小田切は若く真面目な青年であったことから、彼は自分の娘・泉と結婚させたいとも考え、更に小田切には三好の二の舞はさせまいと思ったのだった。が、一度染まった汚職の構図は、簡単に足を洗わせることはさせず、岩光土木工業はあの手この手で詰め寄ってくる。荻野はバーのマダム・マダム品子によって悪の道に留まらされ、小田切をも汚職の仲間に引きずり込んだのだった。が、小田切は巧みに事務処理を行って、汚職のボロを決して出すことはなかった。そんな小田切は泉を愛するようになり、萩野とマダム品子との関係を断ち切らせようとした。そんな中、療養中の荻野の妻が他界した。荻野と泉は療養所に駆けつけたが、その留守に、小田切は岩光を酔ったあげくに殴り殺してしまった。この事件から、彼は岩光と荻野との関係、更には汚職が明るみに出ることを恐れ、役所の荻野の事務室に放火して証拠隠滅を図り、全ての罪は自分で被った。妻の葬儀を終えた荻野は、小田切のことを知り、自首しようとしたが、小田切は、泉のためにそれだけは思い留まるように説得し、全ての罪を一人で被り、服役した...

いつの時代にもある「汚職」をテーマにしている作品であるが、その背景は様々である。足を引っ張り合ったりするという展開の作品もあるが、本作はそういう作品とは全く違っていて、愛する女を第一に考えて罪を一人で被ってしまうというところが昭和らしいというところでもある。

社会問題を扱った作品としては、その当時の様子が決行色濃く出るものであるが、そういう点では時代を知ることになる作品でもある。

尚、本作での山田五十鈴は、バーのマダムであるマダム品子を演じているが、時代劇の印象が強い彼女ということを考えると、ちょっと珍しい一面を見ることが出来ると言うことになります。

 

↓ビデオですが...

現代人 [VHS]

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↓彼女の出演作品をいくつか

流れる [DVD]

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浪華悲歌 [DVD]

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祇園の姉妹 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ
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番場の忠太郎 [DVD]  STD-116

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  • 出版社/メーカー: 新東宝映画 オフィスワイケー
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蜘蛛巣城 [DVD]

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どん底<普及版> [DVD]

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用心棒 [Blu-ray]

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雲ながるる果てに [DVD]

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鞍馬天狗 角兵衛獅子 [DVD]

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